2018年7月29日~31日、夏季全体合宿を行いました。
今回のテーマは『遊びと空手の融合』です。
稽古内容をガチャガチャで決めたり、一日の半分は稽古。もう半分は遊び。というように、規律ある共同生活と楽しむ遊びの中で選手達が縦と横の関係を学ぶことが目的でした。
縦の責任。横のつながり。
普段、道場の中では子どもと言えども縦の関係でつながっています。友達関係は他所でも学べますが先輩としての責任や後輩としての姿勢を学ぶことは現代の子ども社会の中ではなかなか経験できない現状があるからです。当会ではこの点において地域の中で一定の役割を担っていきたいと願っています。
そういうわけで、縦の繋がりは重要です。しかしこれが強すぎると主従関係に発展はしても仲間意識の強化にはあまり役立たないような気がするのです。空手道のような個人競技的な種目であればなおさらのことです。
ですから、ふだんの道場とは違い、仲間としての意識を持てるよう合宿中はあらゆる面で班行動を採りましたし、全ての遊びはチーム対抗の手法で行いました。
今回の経験が選手達の今後にどのような結果を導くことになっていくかは未知数ではありますが、少なくともなんらかの影響があるものとは考えています。また、こういった経験は今後も折をみて継続していく必要があるものと思います。
初の試み1 レクリエーション
児童に対する教育論には正解がなく、その方法は各家庭に任せられていることはわかっているつもりでありますし、それで良いと考えていることを前置きしつつ、個人的な見解としては『子どもは遊びの中でこそ最も成長する』というのが自論です。もっと言うと、対こどもの教育目的を成長と自立とするならば、子どもの本業は学業ではなく遊びであると言っても過言ではないと思います。また、学業による知識は体験と一体となって実(じつ)となるわけで、子どもの場合、もっとも効率的且つ有効な体験方法が遊びであると考えます。そういった意味では、今回初めての試みとなったレクリエーションは非常に有意義な内容になったと思います。外部講師としてご参加頂きました飯坂徳雄(いいざかのりお)先生の実力は開始1分で明らかでした。ザックリとした私のイメージに対して想像以上の内容をご提供くださいました。2時間という長尺をお一人で、初めて会う子ども達に飽きさせることもなく、当たり前のように進行されました。敬服いたします。
初の試み2 開催場所
もう一つ、初の試みがありました。開催場所です。これまで群馬県の岩櫃で開催して参りました夏季全体合宿ですが、今回は青梅市御嶽山。ここ数年、強化育成合宿や大人の合宿で幾度か訪れるようになった御嶽山ですが、この場所の特徴は『近涼情』すなわち
1、近い。
2、涼しい。
3、情に厚い。
【近】
杉並からバス利用で1時間半程度ですから、これまでの合宿地に比べて半分の時間で現地に着くことができます。短縮できた移動時間をメインイベントに充てることができます。距離が縮まる分、移動費用の負担も軽減されます。経費が浮けば、行事予算に充てることはもちろん、参加費を抑えることにもつながりました。
【涼】
二泊三日を誰一人脱落せず、最後まで元気よく合宿を過ごせた最大要因の一つだと思います。合宿中、杉並は涼しい日でも30°でしたが同日の御嶽山は最高気温で22°でした。合宿中はエアコン要らず。夜は扇風機でもクシャミがでるほどでした。
【情】
宿泊でお世話になっている南山荘さんは、当会の子ども達に本当によくしてくれています。非営利ではないにしても、金銭よりも人情を重んじているように感じます。宿には三人の子ども達が居て私も当会の選手達と同じように接していますし、彼らは当会の子ども達と非常に仲良くしています。
宿での過ごし方
一日の稽古を終えて宿に帰った後は食事準備や入浴とは別に自由時間を2時間ほど設けました。おしゃべりをしたりトランプで遊んだり、参加者各々が有意義なひとときを過ごします。さっきあれほど遊びが大切だと言いましたが、実は勉強環境も用意したりして…。受験が近づく中学生たちは、この時間を利用して川下先生の個人授業を受けました。
優人に関しては大した心配もしていませんが、巳咲や真己には空手も勉強も手を抜くことなく努力して欲しいと思っています。勉強を理由に生徒達が一時でも道場を離れていくことが寂しくないと言ったら嘘になりますし、聖基館が空手の技術伝授に留まることなく、学業、生涯学習の場としても地域に根付いていけるよう願っています。
川下先生、ありがとうございました。
朝の過ごし方
朝6時、幼児以外は起床します。『眠い…』と駄々を言う間もなく山の中を散歩。頂上付近に着くと350の石段を8往復します。目標タイムは45分以内。1往復アベレージ5分半というところでしょうか。目標達成ができた班は1つだけでしたが、それでも全員が十分に汗を流しました。早朝トレーニングが終って宿に戻ると朝食です。数人ですが運動したことで朝からモリモリ食べる子がでてきます。
来年開催に向けて
今合宿での試みは成功したことの方が圧倒的に多かったと思いますが、それでもなお課題は残ります。一番の課題は合宿を支えてくれる人材について。ついで、それに伴う予算。二泊三日ではやりたいこと全てはできませんでしたから、開催期間も少し増やしたいところです。いずれにおいても念頭にあるのは、道場営利<参加者営利。
来年開催を今から楽しみにしています^^
最後となりましたが、全ての関係者の皆様に感謝。全ての合宿写真は後日ギャラリーに掲載いたします。
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