2020年1月26日、池谷が形講習会に参加している一方で、生徒たちは恒例の道場選抜大会に参加した。
道場選抜は池谷にとって思い出深い大会である。千翔武道の千勝くんや、月井小次郎くん、川﨑紘基くんなどと対戦した。
三森先輩に紹介して頂いて四年間の空手ブランクから復帰するきっかけになったのも道場選抜大会であった。
聖基館からは強化育成選手の出場となるが、この大会で優勝するのはなかなかどうして難しい。過去記録を振り返るのは面倒なのでやらないが、聖基館の選手たちで優勝したのは一度きりかもしれない。準優勝と第三位がそれぞれ三回、四回くらいだろうか。
勝つということは確かに気持ちが良い。ところが敗戦はそれほど気分が悪くない。自分の全てを出し切って負けなのなら、むしろ清々しい。
あらゆる競技において、敗戦後の日常にこそ醍醐味がある。
負けた現実を意識的にも視覚的にもしっかり受け止めて次へ繋げることは、とてもインテリクチュアルで意義深いと思う。
だから選手たちよ。勝ち急ぐでない。
勝ちに向かうその過程こそ、君を強くする貴重な糧なのだ。
さて、突然であるが近所のサミットの話しだ。
私はいつも通りの時間、いつもの商品を買い物にでかけたわけだが、お気に入りの塩焼きそばがどこを探しても見当たらない。納豆もない。
またか。また一足遅かったか。
小池氏が発動したのだ。少し悔しかった。
『ほう…。そうきましたか。』悔しさを噛みしめて思わず声にでたセリフは、どこかフリーザを彷彿させるものであった。
改めて店内を散策してみるとインスタントラーメンの棚が空っぽではないか。壮観である。
ああそうだ、冷凍食品の棚もスッカラカンであった。
何も冷やす商品がないのに棚は全力で保冷のために稼働している。
もしかすると普段より元気に稼働していたかもしれない。
重い鎧を下した戦士が本当に実力を見せつける。
そんな感じであろうか。
ならば何もいうまい。思う存分実力を発揮すればよい。
頑張れ棚。