大会結果・先輩達の役目
2018年10月7日、日本大学鶴ヶ丘高等学校体育館において秋季杉並区空手道競技大会が行われました。当会からは40名の選手がエントリー。当日は37名の選手が大会に出場し、健闘しました。
幼児組は今回が大会初参加となる選手が多く、きっと先輩達の雄姿に刺激を受けてくれたものと思います。後輩達の熱視線は、先輩戦士たちの力になったはず。大会参加の良い構図だと思います。
金メダル8個、銀メダル5個、銅メダル6個、ベスト8が4つという結果は、ここ数年の中では良いものだと思います。なにより喜ばしいことは、先輩選手が後輩選手達を気にかけるシーンが多く観られたことでした。
勝負の結果はしっかりと受け止めるべき事実ではありますが、それよりも上に立つ者の責任感、後輩達の従順さなど、選手一人ひとりの行動から見えてくる道場の雰囲気が大切だと思うのです。
空手道は個人種目的競技ですから自分の事だけに集中しがちです。しかし先輩たちがこれではいけません。強化育成選手を筆頭に君たちは皆、良き先輩であってほしいと思うのです。
今大会で沢山のサポートを受けた後輩選手たちもいつか素敵な先輩に育って欲しいと願っています。
杉並区連のライバル達は皆仲間なんだ。
今大会、先輩が後輩達を気にかけてくれたことのほかにもう一つ嬉しかったことがあります。それは、当会の選手達と他道場の選手達が互いに刺激を受けつつ、そこに仲間意識が生まれてきたことです。
毎月行っている定期戦や杉空連の審判講習会で戦っているライバル達が大会本番で懸命に拳を交え、試合後には笑顔で会話を交わす姿は本当に嬉しく思います。こうして少しずつでも杉空連全体が盛り上がっていけることを願っています。
また、毎月行っている定期戦の意義はここにあるのだと思います。これからも杉空連の選手達(他区郡市の道場も)が共に稽古できる環境を作っていきたいと思っています。定期戦は毎月第三土曜日に行っています。ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
講評
選手とご父兄の皆様に向けて大切なことを一つだけお話しさせて頂きたいと思います。
勝敗に関わることがらです。
今大会、唯一、気になったことがありました。それは選手達が何を目的に大会に出場しているか。ということです。私自身、今は膝の治療に専念するため試合には出場できておりませんが、完治すれば再び試合に参加するつもりでいます。つまり、まだ現役選手です。ですから空手選手の先輩からのアドバイスだと思ってもらえたら嬉しいです。
私もこれまでに大会や試合に複数回参加してきたわけですが、空手を始めた当初はただ一心に『上手くなりたい』『強くなりたい』と願って鍛錬していました。それがいつからか『勝ちたい』に変わって、やがて勝つことだけが目的になっていったのです。しかしながら今考えてみると、勝ちに固執していたころが一番負けていたと思うのです。
これまでにも機会があるごとにお伝えしてきたことではありますが、試合は試し合いと書くわけですね。ですから、勝つか負けるかの前に、先ず己を知るためのものです。勝って嬉しい負けて悔しいという気持ちは確かに大事なことではありますが、そこで終わらせることなく、その経験から何を学ぶかです。だから振り返りが必要になります。なぜ勝てたのか?なぜ負けたのか?課題通りできたか?できなかったか?
そのためには、そもそも自分が何を目標に試合に出場したのかが重要になってくるわけです。
経験のある選手はもちろん、初めて大会に参加することになった選手達はこの事を決して忘れないで欲しいと願います。
勝ちたい気持ちが強い時ほど、必要なのは己に克つことなのです。
最後に
最後に自身への戒めを込めて今大会で失敗したジャッジについて。
選手達へ『勝ちに固執しないよう』と言いながら、審判がそれに甘えていい加減なジャッジをしてはいけません。審判はあくまでも勝敗に固執して限りなく正確なジャッジをしなければいけないのです。
日頃、選手達に振り返りを強く推奨している立場の私が自身の失敗に向き合わないわけにはいきません。本当は自分の中で処理して終わらせたいところではありますが、自分への戒めを込めて己のミスを公言します。
私は今回、1試合で先取取り消しの宣言をしませんでした。ご父兄からのご指摘のおかげで訂正はできたものの、これまでの審判経験の中でもっとも重大なミスであったと反省しなければいけません。慢心することなく、挑戦と反省を繰り返しながら今後とも公正なジャッジを心掛けていきたいと思いますので今後ともよろしくお願いします。
最後となりましたが、実行委員会の皆様、審判の先生方を始め、大会に関わって頂いたすべての皆様に感謝致します。これからも杉並区空手道連盟と聖基館のことをよろしくお願い申し上げますm_ _m