出稽古と移籍について

出稽古

 聖基館では出稽古(見学含む)の制限をほとんど行っておりません。 稽古に来てもらうのも歓迎ですし、当会からも関係のある他道場へお邪魔させていただく事もあります。

これは空手の世界ではよく言われることですが、自身の技や指導に自信がない道場は出稽古に行かれるのも来られるのも嫌がる傾向にあります。自分の所に来られると底の浅さを知られてしまうのではないか?とか、自分の生徒が出稽古に行くと移籍してしまうのではないか?という不安があるからだと思います。

 あくまでも私個人の考え方ですが、生徒は出稽古で自分に合った道場を他所に見つけたのなら、正式な手続きを以って遠慮なく移籍をすれば良いと思います。それを咎めてしまっては、指導者のエゴというものです。ただし、隣の芝は青く見えるものですから、よくよく冷静にご判断頂くことをお勧めします。

 

 学校教育についても私は同じ考えなのですが、道場にしても他のお習い事にしても、たった一つの環境が全ての需要を叶えられるはずがありませんし、全ての選手に最適なはずがありません。ですから、選手が他所の道場に光を見出したのなら、堂々とそれを道場へ申し出て頂ければと思います。それをせずに何となく後ろめたい気持ちがあるから、こっそり他所に通ったり、それが後から明らかになって生徒を引き抜いたとか、生徒を盗られたとかいうような揉め事に発展するわけです。

 

 

 これは他所の先生の受け売りですが(笑)出稽古について一つ重要な考え方として言えるのは、あくまでも自分のところの道場で稽古をするのが「主」であって、他所の道場で稽古させてもらうのは「従」でなくてはならないということです。これを忘れてしまっては、自分のところの先生に対して失礼に当たるのはもちろん、出稽古先の道場に対しても失礼なことです。

 

出稽古に行くと、相手の道場のカリキュラムに合わせて稽古するのは当然ですが、来てもらった方はどうしても気を使います。指導者側からすれば出稽古に来てもらっている時に怪我をさせてはいけないと思って他の道場生よりも意識を向けざるを得ません。会費を払って習いに来ている道場生よりも出稽古に来ている人の方へ指導者の注意が向けられているというのは、決して良い状態であるとは言えないでしょう。

 

そんな事もあるので他所の道場へ見学や稽古に出かける時は、事前に所属道場へひと声かけて頂きたいのです。そうすれば、先方の先生にご挨拶もかねて一本の電話もできるというものです。これは、ご自分のお子さんを他所にお泊りに行かせる際、ママさん同士で簡単にも連絡をとるのと似ていると思います。まったく知らない子のお家に泊りに行く話が、まったく知らないところで決まってしまうのは決して良いことではないと思います。

 


移籍

 おかげさまで、今年に入ってからの見学・体験の問い合わせが激増しております。この地で活動を初めて丸2年。少しずつでもコツコツと地域の皆様に周知して頂けるようになればと思っています。お友達をご紹介して頂いている皆様には本当に感謝です。

 

さて、この時期になると沢山の方が道場へ見学や体験に訪れてくださるわけですが、その中には比較的少数ですが経験者の方もいらっしゃいます。

経験者の方には、『転居に伴って新しい道場を探してる』というケースや『前道場(あるいは現在通っている道場)が肌に合わないので』という方もいらっしゃいます。こういった経験者の方の入門の際、旧団体を退会して半年以内の場合には、当会より旧団体様へ当該生徒を入門させて頂くご報告を行うようにしています。

 

また、現在進行形で他所の道場に所属している場合は、お辞めになってからお越し頂く旨お伝えしています。というのも、

極めて狭い空手界ですから、当会から大会出場をした際に旧団体の関係者様と顔を合わせる場合もあると思います。

そういった時に

 

『ん?聖基館に入会してたの??それって…』


となるよりも


『やあ久しぶり!!変わらず元気にやってるかい??今日はよろしくね』

 

となった方が良いからです。選手としても『あ!前の先生がいる。どうしよう…』なんて思わせてしまってはいけません。一時期であっても指導にあたって頂いた先生に会ったなら、恥ずべきことなく挨拶に行って欲しいと私は思います。そういうことで、当会→旧団体様へのご連絡は必要だと考えています。

また、移籍を巡る無益なトラブルは極力避けたいというのもあります。

これは、空手道を初めとする多くの武道教室が選手との関係を『顧客×販売者』といったものではなく、『生徒×指導者』もっと言うと『弟子×師範』の意識を持っているから起きるものです。私自身も情熱を注いできた選手の移籍について『今日来たお客様が明日は別のお店に行く』というくらい簡単には考えられないのは事実です。


短い間ではあっても、ともに汗を流してきた仲間だからこそ選手が他の場所に光を見出したのなら胸を張って送り出してあげたいと思いますし、どこかの大会で再会を果たした時は、その選手の健闘を心から願いたいと思っています。

もっと言うと、空手を辞めて他の武道やスポーツをするようになっても良いのです。勉強だって良いのです。

何かに夢中、熱中、集中してくれることが嬉しいのです。子どもが一番輝く時は、やはりそういう時だからです…。



 よく聞く言葉ですが、空手道は礼に始まり礼に終わると言います。

選手に於いては、試合や稽古の時だけではなく自分の進路を考える際、決定する際にも活かして欲しいと思います。

指導者としても選手が退会する時は、礼の本質を示せる最後のチャンスだと思って接するべきではないかと思います。

 

長々と書きましたが、結論からすると


選手の事を一番に考えて、選手が胸を張って日々を過ごせるような環境をつくってあげたい。と願うところです。


当会の皆様には、聖基館の考え方を日頃から十分にご理解頂いていることと思います。本当にありがとうございます。

入退会のシーズンに一応の想いを綴ってみたのでした。どうぞ引き続きご支援いただけますよう、よろしくお願いします^^

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