2/22（日）
当会初めてとなる道場内選手権大会を開催しました。

当日は、初めて試合形式を体験するチビッ子たちや、コート係りの練習ということで保護者の皆様にもお手伝いいただきました。

今大会の目的は二つありました。

一つは、選手とご父兄に試合形式に慣れてもらうこと。

どういった方式で行われるのかを知ってもらうこと。

もう一つは、選手たちの一年間の総決算として結果を出すこと。負けても勝ってもそれが今の答えです。

答えとは、終わりを意味するものではありません。次へ繋げる為の架け橋です。負けて悔しいと感じたのなら、その気持ちをバネにして伸びていければ良いし、勝って喜ぶのも束の間で今度は後ろから追われる立場となります。

選手たちそれぞれが何かを感じられればそれだけで価値があるというものです。

また、大会や試合形式は特別なものではなく、あくまでも通常稽古の一環です。

場に飲まれない心の強さ。

自分の課題を忘れない冷静さ。

戦う相手を敬う礼節。etc.

大会でないと練習できないことが沢山あるのです。ですから、出場できるチャンスがあれば貪欲に参加して欲しいと思っています。これは当会の方針です。

今大会のエントリー選手は31名。

形・組手の2種目を幼児と少年に分かれて競技しました。（一般は組手競技のみ）

私は、どの選手の背景も知っているので全ての試合が印象深く感じられましたが、特に挙げるのであれば以下の３試合でしょう。

◎岡村ゆうきの活躍（形・組手優勝）

　　年始の道場選抜大会で一回戦敗退した彼は、誰よりも号泣し、過呼吸になるのではないかと思うほどでした。以来、彼の中で何かが変わったことは間違いありません。休まず稽古に来続けて、いつもひきしまった表情で頑張って稽古に励んでいたのでした。拗ねやすい選手でしたが、多少のことでは動じなくなりました。あの時の悔し涙が今日の結果に繋がったのだと思います。

【負けは勝ちより価値がある】

　これは持論ではありますが、勝った試合よりも負けた試合のほうが課題が明確になりますし、ぬか喜びより、歯を食いしばっている時の方が得られるものが多いのです。悔しい想いを心に留めて稽古に励むその時間こそ、選手にとっての宝物になります。そのときは悔しくて苦しくて辛いのです。でも、振り返るとキラキラした思い出です。

だから、彼が年始の大会で一回戦から強豪選手にあたり、完膚なきまでに敗北したことを私は本当に感謝しています。圧倒的に勝ってくれた相手の選手にも心からお礼を言いたいですし、良いトーナメントに配置してくれた神様に感謝しています。この勝利に満足せず益々努力して欲しいと思っています。

◎田村成緒の敗戦（少年形決勝敗退）

　　当会の不動の形エースとして活躍を続けてきた彼は、少年形決勝戦で岡村ゆうきに３－０で完全に負けました。【負けた理由＝今後の課題】は既に本人が分かっていると思います。組手はともかく形で道場No１になれなかったことは彼のプライドが許さない事実。この事実を忘れず稽古に励むことで這い上がらせるつもりでいます。

田村は集中力が高く手を抜かない性格。体調不良などで稽古を休むことが減ってくれば、積み重ねが生きてくると信じています。形は細かい動きの連続ですから、週に5回でも6回でも稽古してコツコツ積み重ねることが肝心です。

もう一度形のエースとして復活する事を願っています。

◎椎名てっぺいの活躍（少年組手決勝敗退）

　年始、彼の心の中で迷いが出ました。その迷いに自分で答えを出したことで、彼は本当の意味で自分の空手ライフをスタートさせたのでした。あのときの判断が決して間違いではなかったのだと彼が思えるように…。と思っていました。

　私はかねてから、彼に一つの技を指導してきました。たった一つでも日本一の技をマスターすれば、日本一になれると伝えてきました。そして今大会、やっとその技を実践できたのです。彼もきっと、確かな感覚を得られたのではないでしょうか。

諦めずに続けていれば、必ず何かを得る時が来ると彼の姿が教えてくれたのでした。